3 快感と痛みを知った夜



卓は茜をベッドの上におろした。そして卓はまた茜にキスをした。
「ん…っ…卓……。」
スタンドの明かりを少し暗く落として、そのまま、茜をベッドに押し倒す。
何度もキスをしながら、茜のパジャマのボタンを一つづつ外し、胸元を開いた。
茜は、恥ずかしくて、卓の顔をまともに見られなかった。
「…!」
卓の手が、茜の胸に触れた。
卓の指は茜の胸の一番敏感な、感じる部分を探り当て、愛撫する。
茜の体は、卓の愛撫に敏感に反応する。
時折、びくっ、と体が震える。
卓の唇が胸元へと下りていき…茜の胸の頂の蕾を包み込むように…。
「…卓…っ…あ…!」
そして…卓の手は、徐々に茜の下半身へと下りて行き、
パジャマのズボンを脱がせた。
茜の身に着けているものは、白の下着だけになった。
その中に、卓の手が入ってきた。
「…っ…!」
卓の指は茜の体の中心…茜のもっとも敏感な部分に触れた。
茜の体に、電流が流れたような感覚が走った。
”や…なに、これ…?”茜は初めて感じるその感覚に戸惑った。
卓の指が動くたびに、その痺れるような感覚はどんどん強くなる。
でもそれは不快なものではなかった…むしろ…心地よかった。

卓の愛撫が緩やかなものだったから、茜も安心して卓に身を委ねていた。
…ちょっと油断していたのかもしれない…。
「…!?ちょ…卓…っ!?」
気がついた時には、もう遅かった。
卓の手が、茜の下着をあっという間に脱がせ、足を開かせ、
そこに…顔を埋める。
「や…っ、卓…!そんなこと…あぁっ…!」
それまでの緩やかな愛撫で、徐々に高まっていた茜の快感は、
ここに来ての激しい卓の愛撫に耐えられず、すぐに、絶頂を迎えた。



茜がのぼりつめたあと、の余韻に浸っている間に、卓はパジャマを脱ぎすてて、
茜に見えないように、何かをしていた。
”あ、そっか…コンドーム…。”
そして、卓は再び茜の方を向いて…茜を抱きしめながらもう一度キスをした。
「ん……ひゃ…っ!」
いきなり耳を舐められて、茜は思わず変な声を出してしまった。
耳に卓の熱い息がかかって、くすぐったいような感覚に茜は体を震わせた。
「…入れるよ…。」
卓の声が聞こえて、言われたことを理解し、茜がはっとした次の瞬間。
「…痛…っ!」
今まで経験したことのない痛みが、茜を襲った。
茜は痛みから逃れようと、とっさに体を引こうとしたが、
卓の腕が、茜の体を強く抱きしめていて、出来なかった。
「卓…っ、いた…い・・・。」
茜の目に、痛さで思わず涙が滲む。
「茜、ごめん、でも少しだけ、我慢して。」耳元で、卓の声。
そして、茜の体に、卓の重みがかかって来て…。
「…っ!!い…たっ…!」 押し広げられるような感覚と、さらに痛みが茜を襲って…。
”初めての時って、こんなに、痛いものなの…?”
卓は、茜の中に奥まで入ってから、いったん動きを止めた。
「…?」
卓の動きが止まったのを不思議に思った茜が、そっと目を開けて卓を見ると…。
卓は気遣うような目で茜を見ていた。
「大丈夫か…?」
「ちょっと、痛いけど…でも、大丈夫。」
涙の滲む潤んだ目で、それでも心配かけないように微笑んでみせる茜が、
心底から愛しくて可愛いと卓は思った。
強く抱きしめて、何度もキスをする。
茜が落ち着くのを見計らって、卓は再び体を動かす。
「…っ…!」茜は引きつれるような痛みを感じた。
でも、さっきよりは痛みはなかった。
卓と繋がっている部分が、卓が動くたびに、熱くなってきて…。
卓の動きが、どんどん速くなってくる。
「あ…っ!や…っ、ああ…卓…!!」
卓の動きに、茜は翻弄されて…あとは言葉にならなかった…。
茜は、卓にしがみついて、声をあげる。
もう何も考えられなかった。
ただ、卓の激しさと熱さを、受け止めるのがやっとだった。
「…茜…!」
卓が茜の耳元で名前を呼んで…卓のものが、中で脈打つのが、茜にも分かった。
卓の体が、茜の上にのしかかってくる。
ちょっと重かったけれど、茜はそのまま、卓の背中に腕を回して抱きついた。
こんなに痛いとはちょっと予想外だったけれど、
それでも、卓と初めて抱き合えて茜は嬉しかった。

初めての相手は卓と…って、ずっと前から決めていたことだったから…。
安心したせいか、茜はちょっとだけのつもりで目を閉じて…。
「茜…?…眠ったのか…。」
卓は、安心し切ったように眠る茜の寝顔を見ているうちにつられたのか、
一つ大きなあくびをして、茜を抱きしめて、目を閉じた…。



茜は、窓の外のスズメの鳴き声で目を覚ました。
目覚し時計を見ると、7時をちょっと過ぎたところだった。
”ウソ!寝坊…!?”一瞬慌てたが、すぐに今日は日曜日だと気づく。
卓の仕事は休みだ。そして、茜も専門学校は休み、バイトも休みだ。
”…あー、良かった。”
茜は、卓を起こさないように気をつかいながら、そっと起き上がろうとした。
「…!」
体に残る痛みに、思わず顔をしかめる。
ゆうべの、卓と一つになれた、確かな証拠。でも痛いことは痛い。
それでもそろそろとベッドから抜け出ようとした時…。
「あ…っ!」
後ろから卓の腕が伸びて来て、茜は再びベッドに引き戻された。
正確には、卓の腕の中に。
「おはよう。」
「 お、おはよ…。」
「茜、声、上ずってる。」卓が笑いながら言う。
”だって…卓の顔見ると、昨夜のこと、思い出しちゃう…。”
「…茜、風呂入ろうか。」
「え!?い、一緒に…?」
「うん。」
「うんって…恥ずかしいからダメ。」
「恥ずかしいことなんてないだろ?…ゆうべ、全部見せ合ったんだし。」
「で、でも…。」
「絶対一緒に入る。俺、お湯入れてくる。」
「ちょっと…卓ってば…!」
止める間もなく卓はさっさとバスルームに向かう。
少しして卓は、ベッドに戻って来て、茜を抱き寄せた。
「ねえ、卓、どうしても、一緒に入るの…?」
「俺と一緒に入るの、そんなに嫌か…?」
「嫌って言う訳じゃないけど…なんか、恥ずかしいんだってば…。」
「何も恥ずかしいことなんてないよ。慣れればどうってことないって。」
「慣れればって…ひゃぁぁっ!!」
つい変な声を出したのは、卓が背後から茜の耳たぶを噛んだからである
「…もう、卓…!」
「変なことはしないよ、ちゃんと隅々まで洗ってあげるだけだから。」
”変なことって…隅々までって…。”
それが心配なんだとは、口が裂けても言えないと思った茜だった。
そんな事を言おうものなら、卓は嬉々として何が何でも一緒に入ると言い張るだろう。
さて、どうはぐらかそうものか…と、考えあぐねていた茜の考えを見透かすように、
卓がとどめの一言を持ち出した。
「…一緒に入った方がお湯少なくて済むし、水道代と、ガス代節約できるよ?…時間も。」
「ぐっ…。」【節約】の一言に、茜は負けた。
ものを大切にすることと節約は、茜の信条と言っても過言ではない。
…かくして、茜は卓と一緒に風呂に入ることになり…。
…勿論変なことしないと言った卓の言葉は、額面どおりのものではなくて、
あんなコトやこんなコト(笑)をいっぱいされて、風呂から上がる頃には、
茜はくたくたに疲れてしまい、卓と一緒にもう一度朝寝するためにベッドに潜り込み
結局一日いっぱい、卓と一緒にベッドの中で休日を過ごすことになったのだった…。

【We will come home. 第1部 The end. 】



第1部 あとがき

「We will come home.」は、ここで第1部完結とさせて頂こうと思います。
第1部は同棲開始から初体験までを一つの流れで書き続けて来ましたが、
第2部からは、1話読み切り、もしくは前後編と言う形で書いていこうと思います。

ここでちょっと設定をネタばらし。
茜は高校を出て調理師専門学校に通いはじめた18歳、
(将来はパティシエになりたいと思っている。)
卓は社会人になって4年目の22歳です。
この二人がどう言う出会い方をして、同棲するまでに至ったかは、
今後の第2部以降で書こうと思っているので、今は秘密です。
二人とも、ちょっと生活環境に複雑な過去ありで、
実は、茜が高校1年の時に、二人でカケオチしかけたコトあり…。
(その辺も含めて、第2部は二人の過去編と予定しています。)
…では、第2部でまたお会いしましょう。

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